13.バイノーラル録音空間のセットアップ

バイノーラル録音とは、3D空間において、感じるものをそのままとらえるという意味です。
もし何らかの理由でタイル張りの浴室にて録音をすれば、エコーがとても過多になり、音源の位置を判別することは難しいです。リビングルームで録音をすれば、カーペットや柔らかい家具が、部屋の中の音の反射を減らしてくれますので、音源の3D空間での位置は簡単に認識することができます。そして、あなたが実際にリビングルームの中にいるような音がします。
屋外で録音すれば、とてもオープンな音になり、音像の方向も容易に聞き取ることができます。屋外の空間は、壁やその他の物体の近くでない限り、無響室と似ているからです(音の響きがありません)。

バイノーラル録音の環境をセットアップする時には、すべての音が収音され、雑音も収音されることに注意しなければなりません。耳もと近くでのあなたの息など(それを収音したいと思わない限り)、不要な雑音は除去する必要があります。さらに、外部ハードディスク、コンピュータ、子供、あなたのスマートフォンなど、雑音を発生するものは、排除してください。

録音ボタンを押す前にヘッドホンでFree Spaceの音を聞くと、何を収音しているのかが極めてはっきりわかります。ヘッドホンジャックがついている外部オーディオレコーダで(たとえばZoom H1など)、録音前に音を聞くことができます。
いずれにしても、録音間にマイクの音を聞くことは、常に実行してください

どのような効果を狙うかによって、部屋の音のキャラクタをコントロールすることもできます。
余裕があれば、高密度な発泡体を調達して、ノイジーな部屋の音の響きをおさせるために、部屋の周りに配置することができます。発泡体を調達する余裕がなければ、毛布や枕で代用してください。

マイクロホンの場所を考えることも重要です。
壁の近くにFree Spaceを置くと、収音した音はすぐ近くに壁があるように感じます。これは、その壁が見えなくても、脳が壁で反射してくる音をとらえて、大きくフラットな面があることを認識するからです。
ヒトの耳と脳はとても強力な能力を持っているにも関わらず、あまり使われていません。目の見なない人のなかには、音の反射を聞くだけで、物体のサイズ、形、そして素材まで分かる人がいます。視覚よりも優れているのです。そういった人は、庭に置いた発泡体の石には騙されません。

以上の事から、全ての音、雑音、室内音響、マイクロホンの位置など、録音しようとする3D空間全体のあらゆるものに注意してください。そうすれば、最終的な作品の質を最大限高めることができます。

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