1.はじめに

Free Spaceは、簡単に様々な高品質バイノーラル(3D)収音ができるマイクロホンです。しかしながら、このマイクロホンはいったい何なのか分からないとか、いったいどのように収音できるのか、といった質問をたくさん受けます。そこで、このマニュアルで、バイノーラルについて説明し、Free Spaceバイノーラルマイクロホンを解説したいと思いました。バイノーラルについて何も知らない方々に、できるだけ簡潔に説明したいと考えています。ですから、バイノーラルについて知識を持っていると思っていらっしゃる方々は、どうか、おせっかいな話だとか、偉そうだとか思わないでください。

バイノーラルというのは、基本的には、ヒトが2つの耳で聞くという意味です。Free Spaceからの出力は2チャンネル(左/右)ですので、「ステレオ」信号です。でも、リアルなヒトの耳の形をしているマイクロホンですので、バイノーラル信号でもあるのです。このマイクロホンは、私たちが自分の耳で聞いている音とまったく同じ音を収音します。その音を録音した後、ヘッドホンで聞くことができます。
Free Space写真
バイノーラルマイクロホンのコンセプトは大変シンプルですが、どのようなマイクロホンもそうであるように、音質を高めるための録音やミキシングのテクニックというものがあります。皆さんには、ぜひ素晴らしいバイノーラル録音をしていただきたいと思っています。Free Spaceを最大限活用していただくための説明をしたいと考えています。ハードウェアの説明から始めて、録音のためのセットアップ、実際の録音、そしてポストプロダクション作業(3Dサウンドを収音した後にやる作業)まで説明します。

録音についてすでにご存知でも、それらの説明はきっと役に立つと思います。バイノーラル録音は、従来の録音方法からのバラダイムシフトなのです。バイノーラルでは音を個別に録音しません。バイノーラル録音とは、3D空間で感じる音そのものをとらえることなのです。あなたが、録音をしたその場所にあたかもいるように感じさせてくれるのが、良いバイノーラル録音です。たしかに、バイノーラルオーディオは、2つの耳の形をしたマイクロホンでとらえたステレオサウンドでしかありません。しかし、私たちの脳が音の方向性を認識するため、私たちは、後ろから聞こえる音なのか、頭上から聞こえる音なのか、あるいは、耳元の音なのかを感じ取ることができます。何も見えなくても、音でそのように感じて、そこに何かがあるということを認識できるのです。個々の音を録音するのではなく、3D空間をとらえるのだということに慣れていただければ、きっと素晴らしいバイノーラル録音が簡単にできるはずです。

次の項目へ >>
User Guide一覧へ